神秘の名湯
有馬温泉の謎に迫る
2023年1月19日
宿泊プラン
湧出メカニズムを徹底解剖
国内屈指の名湯として謳われる有馬温泉。
世界的にも珍しい泉質を持った温泉が火山のない有馬でどうして湧き出すのか。
名湯の謎を紐解き、その魅力をより深く味わいませんか。
世界でも例のないプレート直結温泉
日本三古泉や日本三名泉に選ばれる有馬温泉。太閤秀吉をはじめ、古くから多くの偉人たちを魅了してきた名湯は、世界的にも非常に珍しい湧出メカニズムを持った温泉です。周りに火山のない有馬で、どうして特異な泉質をした温泉が湧き出るのか。謎に包まれた有馬温泉の秘密を、マグマ学者の巽好幸先生に伺いました。
「地球を覆う十数枚のプレートのうちの四つがせめぎ合う日本列島。これらの地殻活動が火山活動や地震を引き起こします。火山大国とも言われる日本には、111もの活火山が存在。その数は全世界の約一割を占めます。日本が世界一の温泉大国であるのも、その恩恵です。ちなみに温泉は火山性のものだけでなく、非火山性のものもあります。国内にあるほとんどが火山性であり、城崎周辺の温泉もそうです。近畿地方に活火山はありませんが、神鍋山や玄武洞など数十万年前の火山群に起因しているのです。一方、有馬温泉は非火山性であり、このエリア以外に同じメカニズムを持った温泉は世界でもほとんどありません。
有馬型の温泉はプレート直結温泉と呼ばれます。西日本の大部分はユーラシアプレート上にあり、その下にはフィリピン海プレートが沈み込んでいます。同じプレートが沈み込むのに九州は火山が多く近畿にないのは、沈み込むプレートが形成された年代が違うためです。九州側は五千万年以上前にできた古いプレート。近畿側は千五百万年前にできた、地球上でも最も新しいプレートのひとつです。プレートには水が含まれており、この水は地下に入っていくと高い圧力と温度のために吐き出されます。プレートは古くなるほど温度が下がるため、水が吐き出される深さもそれによって変化。九州側のプレート水は地下100〜150kmで一気に放出。吐き出された高温の水はさまざまな物質を融かして大量のマグマを生成し、多くの火山を生み出します。一方、近畿側ではプレートが熱いため地下60kmで放出。プレートから搾り出された熱水が地表に湧き出たものが有馬温泉であり、搾り出される際に塩分や鉄、炭酸などのプレート成分が溶け込むことで稀な泉質を持った金泉が生まれます。近畿に火山がないのは、浅いところで水が吐き出されることによってマグマをつくる水が減るためです」
このように有馬温泉は地球の営みによって地下深くでできた神秘の湯でもあります。世界中でこの場所にしかない地球の恩恵を、どうぞお愉しみください。
天神泉源(金泉)
菅原道真公を祀る天神社の境内にある天神泉源。地下206mから湧出する温泉は金泉特有の鉄分や塩分を多く含み、塩分濃度は海水のおよそ2倍にもなります。
〒651-1401 兵庫県神戸市北区有馬町1
地下60kmという浅いところで吐き出された水が高温で湧出するのは、有馬高槻構造線と呼ばれる大きな断層が地下を走っているからです。
巽 好幸 先生
理学博士(東京大学)。ジオリブ研究所・所長。水惑星地球の進化や超巨大噴火のメカニズムを「マグマ学」の視点で考えるジオ・アクティビスト。
金泉は天神泉源の他、有明泉源、御所泉源、極楽泉源、妬泉源から湧き出しています。
温泉が空気に触れることで炭酸カルシウムが結晶化。湯詰まりを起こすため、週に2回は配管のメンテナンスが必要です。
有馬温泉 泉源巡りMAP
天神泉源以外にも有馬では、いたるところで温泉が湧き出ているため、泉源巡りもお勧めです。
金泉
金泉特有の塩分、鉄、炭酸などの成分はプレート成分が溶け出したものであり、プレート直結温泉ならではの泉質です。
銀泉
プレートから吐き出された水が上昇過程で炭酸ガスを放出。この炭酸ガスと地下水の反応によって生まれるのが銀泉です。
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